輪るピングドラムの二次創作テキストブログ。
冠晶中心に晶馬総受け。
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昨日の朝方についったーで書いてたSSを加筆修正したものです。一応冠晶のつもり。
ちょっとグロいかも?あと、冠ちゃんが素で酷いです。晶ちゃんもなんだか病んでるような。
時系列なんて知ったこっちゃありません。そして激短い。
さらに話の内容も自分で書いてて意味がわかりませんw
せっかくなんで載せてみますが、耐えられなくなったら消すかもしれません…。
それでもよければつづきからどうぞ!
ちょっとグロいかも?あと、冠ちゃんが素で酷いです。晶ちゃんもなんだか病んでるような。
時系列なんて知ったこっちゃありません。そして激短い。
さらに話の内容も自分で書いてて意味がわかりませんw
せっかくなんで載せてみますが、耐えられなくなったら消すかもしれません…。
それでもよければつづきからどうぞ!
ざあっと、自然のものとは到底に思えない強い風が吹き抜けてきて、晶馬の髪を乱暴に掻き乱した。けれども晶馬は、それを何ら気にすることはなく、ただ遠くに繋がる深い人工的な穴の向こうをぼんやりと見つめていた。
電車が参ります、ご注意下さい。
録音された無機質な声と共に、ゴオッという騒音が耳をつんざくように響き渡る。晶馬はどこかぼんやりとしたまま、これから電車に乗り込むために、足を一歩前へ踏み出した。駅のホームだろうが、人が居ようが関係ないと言わんばかりの速いスピードで、電車が滑りこんでくる。
晶馬はまた一歩、足を踏み出す。鳴り響く轟音と、蹴散らすようにホームへと入る速さに、どこか頭が麻痺していくかのようだった。電車が止まって扉が開くまでは、ほんの数瞬。その僅かな時の間に、晶馬は深い深い穴に吸い込まれそうになりながら、また一歩、足を進めた。
電車はもうすぐホームに入る。晶馬が立っている所まで、あと少し。晶馬の足は、黄色い線を踏み越えても、まだ止まらない。
何をしようとしているのかなんて自分でも自覚は無くて、ただ見えない力に吸い込まれそうになって、けれども晶馬はそれに抗おうともしていなかった。その足取りは、別段電車に乗り込む人のものと変わりは無かったから、回りの人もその異常に気づかない。
いよいよ白線まで踏み越えて、目前に鉄のレールが待ち構える。電車が急ブレーキをかける耳障りな音が響いて、後ろの方から駅員の怒声が聞こえた。けれども、電車はスピードを落とすことも間に合わず、すでに晶馬のすぐ側にまで来ていて、もう晶馬を止めることは誰にも出来なかった。
ただ、晶馬が少しばかり心残りだと感じたことは、あともう一度だけでも、冠葉に会いたかったな、ということだった。
ふいに視界が暗転して、何も聞こえなくなる。何もない世界に放り出されて、ああこれで何もかもが終わったのだと、晶馬はどこかホッとした気持ちで、ゆっくりと目を閉じた。
「……ま、しょうま。おい、晶馬!」
ガクガクと揺すぶられる感覚に呼び戻されて、晶馬は手放そうとしていた意識を何とか繋ぎとめた。
「冠葉?」
夢でも、見ているのだろうか。あのまま自分は粉々になって、砕け散ってしまったのではないのか。けれども、急速に現実に引き戻された意識は、目前の光景と周りの悲鳴や怒声を捉えて、晶馬は愕然と体を震わせた。
そこは、血の海と化していた。
誰か飛び込んだぞ、おい救急車呼べよ、そんな声も人々の悲鳴に掻き消されて、その場は混乱の渦に呑まれていた。
晶馬は、生きていた。けれども、その代わりに、別の誰かが、飛び降りたのだ。
ガタガタと震える体を止めることは出来ず、晶馬の肩を抱いたままの冠葉に無意識にしがみついた。けれども、その時、冠葉の後ろで黒服の人間が横切るのを、晶馬は視界の端に捉えてしまった。状況が上手く理解出来ないまま、晶馬は、目の前の人間が何をしたのかという事実だけを、瞬時に悟った。
まさか、冠葉が、冠葉の仲間が、人を、線路に突き落したのだろうか。
「おい晶馬、しっかりしろよ」
今しがた、誰かをどん底に突き落とした手で、冠葉は自分を慰めようとする。晶馬を掴んでいる両手が、酷く汚れているように思えて、触れる場所から血が侵食してくるような錯覚に陥った。この手を全て振り払って、殴ってやりたいような衝動が沸き起こる。けれども、カタカタと小刻みに震える体は、晶馬の意志に反して少しも言うことを聞いてくれなくて、勝手に動く晶馬の手は、いつの間にか冠葉にしがみついていた。
冠葉の手は、とても、汚い。
けれども、晶馬はどうしても、この腕を振りほどくことが、とうとう最後まで出来なかった。
電車が参ります、ご注意下さい。
録音された無機質な声と共に、ゴオッという騒音が耳をつんざくように響き渡る。晶馬はどこかぼんやりとしたまま、これから電車に乗り込むために、足を一歩前へ踏み出した。駅のホームだろうが、人が居ようが関係ないと言わんばかりの速いスピードで、電車が滑りこんでくる。
晶馬はまた一歩、足を踏み出す。鳴り響く轟音と、蹴散らすようにホームへと入る速さに、どこか頭が麻痺していくかのようだった。電車が止まって扉が開くまでは、ほんの数瞬。その僅かな時の間に、晶馬は深い深い穴に吸い込まれそうになりながら、また一歩、足を進めた。
電車はもうすぐホームに入る。晶馬が立っている所まで、あと少し。晶馬の足は、黄色い線を踏み越えても、まだ止まらない。
何をしようとしているのかなんて自分でも自覚は無くて、ただ見えない力に吸い込まれそうになって、けれども晶馬はそれに抗おうともしていなかった。その足取りは、別段電車に乗り込む人のものと変わりは無かったから、回りの人もその異常に気づかない。
いよいよ白線まで踏み越えて、目前に鉄のレールが待ち構える。電車が急ブレーキをかける耳障りな音が響いて、後ろの方から駅員の怒声が聞こえた。けれども、電車はスピードを落とすことも間に合わず、すでに晶馬のすぐ側にまで来ていて、もう晶馬を止めることは誰にも出来なかった。
ただ、晶馬が少しばかり心残りだと感じたことは、あともう一度だけでも、冠葉に会いたかったな、ということだった。
ふいに視界が暗転して、何も聞こえなくなる。何もない世界に放り出されて、ああこれで何もかもが終わったのだと、晶馬はどこかホッとした気持ちで、ゆっくりと目を閉じた。
「……ま、しょうま。おい、晶馬!」
ガクガクと揺すぶられる感覚に呼び戻されて、晶馬は手放そうとしていた意識を何とか繋ぎとめた。
「冠葉?」
夢でも、見ているのだろうか。あのまま自分は粉々になって、砕け散ってしまったのではないのか。けれども、急速に現実に引き戻された意識は、目前の光景と周りの悲鳴や怒声を捉えて、晶馬は愕然と体を震わせた。
そこは、血の海と化していた。
誰か飛び込んだぞ、おい救急車呼べよ、そんな声も人々の悲鳴に掻き消されて、その場は混乱の渦に呑まれていた。
晶馬は、生きていた。けれども、その代わりに、別の誰かが、飛び降りたのだ。
ガタガタと震える体を止めることは出来ず、晶馬の肩を抱いたままの冠葉に無意識にしがみついた。けれども、その時、冠葉の後ろで黒服の人間が横切るのを、晶馬は視界の端に捉えてしまった。状況が上手く理解出来ないまま、晶馬は、目の前の人間が何をしたのかという事実だけを、瞬時に悟った。
まさか、冠葉が、冠葉の仲間が、人を、線路に突き落したのだろうか。
「おい晶馬、しっかりしろよ」
今しがた、誰かをどん底に突き落とした手で、冠葉は自分を慰めようとする。晶馬を掴んでいる両手が、酷く汚れているように思えて、触れる場所から血が侵食してくるような錯覚に陥った。この手を全て振り払って、殴ってやりたいような衝動が沸き起こる。けれども、カタカタと小刻みに震える体は、晶馬の意志に反して少しも言うことを聞いてくれなくて、勝手に動く晶馬の手は、いつの間にか冠葉にしがみついていた。
冠葉の手は、とても、汚い。
けれども、晶馬はどうしても、この腕を振りほどくことが、とうとう最後まで出来なかった。
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